デスクワークを始めてから出たジンジンする首肩の痛みが施術とトレーニングを経て1週間楽な状態を保てるようになった例(20代女性)
主訴
2026年9月、肩こりでご来院されました。デスクワークの仕事を始めてから首と肩にジンジンするような痛みが出るようになり、仕事終わりには首肩が硬くなって動きが悪くなってしまうとのことでした。つらくなったら整体やマッサージで対処していましたが、その場しのぎで終わらせず、戻りにくい状態を目指したいとのご希望でした。
当院の評価
患者様への説明
首と肩の動きと、肩甲骨の位置を確かめました。胸の前の筋肉(小胸筋)と、脇の下から肋骨につく筋肉(前鋸筋)に張りがあり、肩甲骨が外側へ引かれた位置になっていました。首の後ろの筋肉(板状筋)は、前に出た頭を一日中支えて張り続けており、肩甲骨を内側から支える僧帽筋の中部は働きにくい状態でした。デスクワークで腕を前に出し続ける時間が長くなったことで、肩甲骨を外へ引く側ばかりが働き、支える側が追いつかなくなっていると考えました。
日常動作・解剖学的動診
【日常】デスクワーク中から終業後にかけて首肩にジンジンする痛み/仕事終わりは首肩が硬く動きが悪い 【所見】肩甲骨の外転位・頸部後面の張り
身体機能評価
小胸筋・前鋸筋の短縮(肩甲骨の外転位)/板状筋の過緊張/僧帽筋中部の筋出力低下(肩甲骨の内転・支持)/デスクワーク後の頸部可動性低下
判断
デスクワークを始めたばかりの時期は、腕を前に出した姿勢を長時間続けることに体が慣れておらず、胸の前や脇の筋肉が縮んだまま肩甲骨を外へ引き、首の後ろの筋肉が頭を支え続けることになりやすいと言われています。この方は、肩甲骨を外へ引く小胸筋・前鋸筋の張りと、頭を支え続ける板状筋の張りがあり、肩甲骨を内側から支える僧帽筋中部が働きにくい状態でした。引いている側をゆるめ、支える側を働かせたうえで、仕事の時間を支えきる持久力を高める方針としました。
施術の様子
患者様への説明
肩甲骨を外へ引いていた胸の前の筋肉(小胸筋)と脇の下の筋肉(前鋸筋)、頭を支え続けて張っていた首の後ろの筋肉(板状筋)をゆるめる手技から始めました。初回は物理療法もあわせています。ご自宅では胸の筋肉のストレッチをお伝えし、つらさが落ち着いてきた段階で、肩甲骨を内側から支える僧帽筋中部のトレーニングを加えました。
専門的内容
【手技療法】小胸筋・前鋸筋・板状筋へのアプローチ(肩甲骨の外転位と頸部後面の張りに対して)/【物理療法】初回に併用/【運動療法】胸筋のセルフストレッチ指導、僧帽筋中部トレーニングと運動指導(4〜6回目を中心に持久力の向上)
施術の経過
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初期
初回の施術後はつらさが軽くなり、その後の数日はつらくなっていくことがありませんでした。2回目は1週間空いたところ、週末につらさが戻ってきたとのことでしたが、施術後には再び楽になりました。
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中期
3回目には、施術から1週間たっても楽な状態を保てるようになり、施術後に残るつらさもさらに小さくなりました。
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後期
4〜6回目は、僧帽筋中部のトレーニングや運動指導を中心に、仕事の時間を支えきる持久力を高めていきました。以降は隔週のペースに移り、現在も継続しています。
料金・通院目安
料金の目安
初回料金
施術 3,740円+物理療法 990円
2回目以降の料金
施術 7,136円
通院の目安
施術回数
6回以上(隔週で継続中)
施術期間
3回目で1週間楽な状態を保てるようになり、6回目以降は隔週で継続中
ここでは、この症例の記録とは別に、「デスクワークを始めてから首肩にジンジンする痛みが出て、仕事終わりには硬くて動きが悪くなる状態」という状態について、一般的な見方やご自宅でのヒント、医療機関へ相談する目安を順にたどります。
デスクワークを始めたばかりなのに、首や肩が痛くなるのはなぜ?
長年の肩こりと違い、仕事を始めてから出てきた首肩の痛みは、体がまだその姿勢に慣れていないことが背景にあると言われています。腕を前に出した姿勢を長時間続けると、胸の前や脇の筋肉が縮んだまま肩甲骨を外側へ引き、前に出た頭を首の後ろの筋肉が支え続けることになります。このとき、肩甲骨を内側から支える僧帽筋の中部が働けていないと、仕事の後半になるほど支えが追いつかなくなり、ジンジンする痛みや、仕事終わりの硬さとして出やすいと考えられています。
ゆるめるだけでは1週間が持たない
整体やマッサージで楽になるのは、張っている側をゆるめているからです。ただ、支える側の力が足りないままだと、翌週の仕事でまた同じところに負担が集まります。引いている胸と脇の筋肉をゆるめたうえで、肩甲骨を支える僧帽筋中部を鍛え、仕事の時間を支えきる持久力を高めるという組み立てが取られることがあります。この症例でも、施術の間隔を1週間空けて「どこまで保てるか」を確かめながら、トレーニングの比重を上げていきました。
長く続いている肩こりとの違い
同じパソコン作業の肩こりでも、何年も続いているものは、姿勢の癖や筋肉のバランスがすでに固まっていることが多く、確かめる順番が変わります。当院では夕方に強くなるパソコン作業の肩こりの症例も記録しています。いつから出てきたかによって進め方が変わるため、来院時にはきっかけの時期もあわせて教えていただけると、見通しが立てやすくなります。
仕事を始めてから出てきた首肩の痛みでは、こっている場所をゆるめるだけでなく、肩甲骨を外へ引いている筋肉と、内側から支える筋肉の持久力の両方を確かめることが、進め方を考えるうえで役立つと言われています。
塩谷 健太仕事を始めたばかりで首肩がつらくなった方は、「慣れれば治まる」と我慢しがちですが、支える力が追いつかないまま続けると、硬さが定着していくことがあります。ゆるめる施術と、支える筋肉のトレーニングを組み合わせて、1週間を楽に過ごせる体を一緒につくっていきましょう。
こんな方に気になりやすい(セルフチェック)
次のような項目に心当たりが多い方は、負担が集まりやすい傾向があると言われています。当てはまること自体が異常を意味するわけではありません。
- デスクワークの仕事を始めてから、首や肩にジンジンする痛みが出るようになった
- 仕事終わりには首肩が硬くなり、動きが悪くなる
- 整体やマッサージに行くと楽になるが、1週間持たない
- 胸の前や脇の下が硬く、腕を前に出す姿勢が長い
- 肩甲骨を寄せる動きがしづらい、長く保てない
ご自宅でできる工夫
痛みが和らいできたら、一般的なセルフケアとして次のような工夫が知られています。
- 仕事の合間に、両手を後ろで組んで胸の前を開き、肩甲骨を寄せる時間をつくる
- 座ったまま肩甲骨をゆっくり寄せて数秒保つ動きをくり返し、支える筋肉を働かせる
- 画面と椅子の高さを見直し、腕を前に出しすぎない位置で作業する
痛みやしびれが強いとき、力が入りにくいときは無理に行わず中止し、医療機関にご相談ください。
こんなときは医療機関へ
多くは時間とともに和らいでいくと言われていますが、次のような場合は、自己判断せず早めに医療機関を受診してください。
- 腕や手にしびれが出る、力が入りにくい、感覚が鈍い
- これまでにない強い頭痛が急に出た、ろれつが回らない、めまいを伴う
- 発熱や体重減少など体調の不調を伴っている
- 安静にしていても、夜間も痛みが強く続く
- 転倒や事故のあとに痛みが出た
よくある質問
デスクワークを始めてからの首肩の痛みは、何回くらいで変わりましたか?
この症例では、初回の施術後に楽になり、2回目までの1週間では週末につらさが戻りましたが、3回目には1週間楽な状態を保てるようになりました。4〜6回目でトレーニングの比重を上げ、6回目以降は隔週で続けています。経過には個人差があります。
整体やマッサージとは何が違うのですか?
この症例では、張っている胸の前や脇、首の後ろの筋肉をゆるめる施術に加えて、肩甲骨を内側から支える僧帽筋中部のトレーニングを組み合わせました。ゆるめるだけでは翌週の仕事で同じところに負担が戻りやすいため、仕事の時間を支えきる持久力をつけることを目標にしています。
仕事を続けながらでも変わりますか?
この症例では、デスクワークを続けながら施術とトレーニングを進めました。施術の間隔を1週間、その後は2週間と空けながら、どこまで楽な状態を保てるかを確かめています。ご自宅での胸のストレッチと、合間に肩甲骨を寄せる工夫をあわせて続けていただいています。
塩谷 健太仕事を始めてから出てきた首肩の痛みは、肩甲骨を引く側と支える側のバランスから確かめると進め方が見えてきます。いつから、どんなときにつらいかを教えていただければ、そこから一緒にたどっていきますので、一度ご相談ください。
この症状について、担当者と複数のスタッフで臨床的に検討したカンファレンス記事もあります。評価の進め方や考え方の詳細はこちらをご覧ください。
施術担当者

経歴
症例レポートは、改善した例だけでなく、そうでなかった例も含めて結果を選ばず掲載しています。








仕事を始めてから出てきた首肩の痛みは、長年の肩こりとは少し事情が違います。腕を前に出し続ける時間が急に増え、肩甲骨を外へ引く筋肉ばかりが働いて、支える側が追いついていない状態でした。整体やマッサージで一時的に楽になっていたのは、張っている側をゆるめていたからだと思います。この方には、ゆるめるだけでなく、支える僧帽筋中部を鍛えて1週間を持ちこたえる力をつけることを目標にしました。3回目で1週間保てるようになり、いまは隔週で持久力を積み上げているところです。