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中村拓真の担当症例

上を見上げるとこりが強まっていた長年の首肩のこりが施術とトレーニングを経て見上げても気にならなくなった例(40代男性)

上を見上げるとこりが強まっていた長年の首肩のこりが施術とトレーニングを経て見上げても気にならなくなった例(40代男性)

主訴

長く続いている首から肩にかけてのこり。上を見上げる動きでこりが強まる状態
患者様: 男性 (40代)
来院日: 20260808

2026年8月、長く続いている首から肩にかけてのこりでご来院されました。ふだんからこりを感じているうえに、上を見上げる動きをするとこりがはっきり強まり、高いところを見る、見上げて作業するといった場面を避けるようになっていたとのことです。

当院の評価

患者様への説明

姿勢と肩甲骨の動きを確かめると、頭が肩より前に出た位置(頭部前方位)にあり、肩甲骨を背中の内側に寄せる動き(内転)が硬くなっていました。頭が前に出ていると、上を見上げるときに首の後ろの筋肉(頚部伸筋群)が縮んだ位置からさらに縮むことになり、首の後ろから肩にかけての筋肉がより強く働くため、見上げる動きでこりが強まります。胸の前の筋肉(小胸筋)と、肩甲骨を肋骨に沿って外側に引く筋肉(前鋸筋)に張りがあり、肩甲骨が外側に開いた位置で止まっていました。首の横の筋肉(胸鎖乳突筋)と肩の筋肉(三角筋中部)にも緊張があり、肩甲骨を背中側で支える筋肉の働きが弱くなっていました。

日常動作・解剖学的動診

【動作】頚部伸展(上を見上げる動き)でこりが増悪 【所見】頭部前方位/肩甲骨の内転制限(外転位での固定)/背部筋群の出力低下

身体機能評価

頭部前方位/肩甲骨内転の可動域低下/小胸筋・前鋸筋・胸鎖乳突筋・頚部伸筋群・三角筋中部の緊張/僧帽筋中部・下部の出力低下

判断

上を見上げるとこりが強まる首肩のこりで、頭が前に出た姿勢と、肩甲骨が外側に開いたまま内側に寄らない状態がそろっていたことから、首の筋肉そのものというより、肩甲骨の位置と頭の位置のかたよりを首の後ろの筋肉が支え続けている状態と考えました。方針は、肩甲骨を外側に引いている胸の前と肋骨まわりの筋肉をゆるめて肩甲骨が内側に寄れるようにし、首の後ろと横の筋肉の緊張を落としたうえで、肩甲骨を背中側で支える筋肉のトレーニングで、見上げる動きで首の後ろだけが頑張らなくて済む状態をつくることとしました。

施術の様子

患者様への説明

肩甲骨が内側に寄らない状態に対して、肩甲骨を外側に引いている胸の前の筋肉(小胸筋)と肋骨まわりの筋肉(前鋸筋)をゆるめ、肩甲骨と肋骨のあいだの動きを引き出すモビライゼーション(関節をゆっくり動かして動きを広げる手技)を行いました。頭が前に出た姿勢に対しては、首の横の筋肉(胸鎖乳突筋)と首の後ろの筋肉(頚部伸筋群)、肩の筋肉(三角筋中部)の緊張を落としています。あわせて、肩甲骨を背中側で支える背中の筋肉のトレーニングを行い、見上げる動きで首の後ろだけに負担が集まらないようにしました。

専門的内容

【手技療法】肩甲骨内転制限に対して:小胸筋・前鋸筋へのアプローチ/肩甲胸郭関節のモビライゼーション。頭部前方位に対して:胸鎖乳突筋・頚部伸筋群・三角筋中部へのアプローチ 【運動療法】背部筋群(僧帽筋中部・下部を中心)のトレーニング

施術の経過

初期

初回に肩甲骨まわりと首の筋肉をゆるめ、肩甲骨が内側に寄る動きを引き出しました。4回目には、避けていた上を見上げる動きができるようになり、見上げてもこりが強まる感じが薄れてきたとのことです。

中期

肩甲骨の位置が戻ってきた段階で、背中の筋肉のトレーニングの比重を増やしました。12回目には、ふだん感じていた首肩のこりが出なくなったとのことです。

後期

約16回、3か月を経て、見上げる動きを含めて首肩のこりを気にせず過ごせる状態になりました。現在は、肩甲骨と頭の位置を保つためのメンテナンスの施術とトレーニングを継続されています。

中村 拓真
中村 拓真

上を見上げるとこりが強まるという訴えは、首の後ろの筋肉がふだんから縮んだ位置で頭を支えているサインとして見ています。この方の場合、肩甲骨が外側に開いたまま内側に寄らず、頭が前に出た姿勢が長く続いていたことで、首の後ろがいつも頑張り続けていました。首だけをほぐすのではなく、肩甲骨を内側に寄せられるようにして背中で支える筋肉を働かせたことで、見上げる動きが楽になり、ふだんのこりも出なくなりました。長年のこりほど、肩甲骨の位置から見直す価値があると感じた症例です。

料金・通院目安

料金の目安

初回料金

3,740円

2回目以降の料金

7,136円

通院の目安

施術回数

約16回(その後はメンテナンスとトレーニングを継続中)

施術期間

約3か月(その後も継続中)

※料金は、施術内容やご提案(物理療法・テーピング・鍼灸など)によって幅があり、掲載している金額は施術当時の実額です。現在の基本料金の考え方は 料金のご案内 をご覧ください。
この症状について 上を見上げるとこりが強まる首肩のこり、肩甲骨の寄りにくさと頭の位置から考える

ここでは、この症例の記録とは別に、「長く続いていて、上を見上げる動きで強まる首から肩にかけてのこり」という状態について、一般的な見方やご自宅でのヒント、医療機関へ相談する目安を順にたどります。

上を見上げると首肩のこりが強まるのはなぜ?

上を見上げる動きでは、首の後ろの筋肉(頚部伸筋群)が縮んで頭を後ろに倒します。頭がふだんから肩より前に出た位置にあると、首の後ろの筋肉はその時点ですでに縮んで頭を支えており、見上げるときには縮んだ位置からさらに縮むことになるため、首の後ろから肩にかけてのこりが強まりやすいと言われています。見上げる動きを避けるようになっている場合、このかたよりが長く続いているサインかもしれません。

肩甲骨が内側に寄らないと、頭は前に出やすい

肩甲骨が外側に開いた位置で止まっていると、胸の前が縮んで背中が丸まり、その上に乗っている頭は前に出やすくなります。この症例では、肩甲骨を外側に引いている胸の前の筋肉(小胸筋)と肋骨まわりの筋肉(前鋸筋)をゆるめ、肩甲骨が内側に寄れる状態をつくることから始めました。肩甲骨が寄れるようになると頭の位置も戻りやすくなり、首の後ろがふだんから縮み続ける状態から抜け出しやすくなります。

見上げる動きが戻り、そのあとにふだんのこりが出なくなる順序

この症例では、4回目で避けていた見上げる動きができるようになり、12回目でふだん感じていたこりが出なくなるという順序で変化しました。動きの制限が先に戻り、背中で支える筋肉のトレーニングを重ねるうちにふだんのこりが落ち着いていく流れです。同じ上を向くと強まる首肩のこりでも、デスクワーク中に首が張っていた60代女性の例や、うがいで上を向くと左の首から肩が痛んだ60代女性の例のように、出方によって見るところは変わります。

ここがポイント

上を見上げるとこりが強まる首肩のこりでは、首の筋肉だけでなく、肩甲骨が内側に寄れるか、頭が前に出ていないか、背中側で肩甲骨を支える筋肉が働いているかをあわせて見ることが、進め方を考えるうえで役立つと言われています。

中村 拓真中村 拓真

上を見上げる動きを避けるようになっていたら、首の後ろがふだんから頑張り続けているサインかもしれません。首だけをほぐしても戻りやすいので、肩甲骨の寄りにくさと頭の位置から一緒に確かめていきましょう。長年のこりでも、支え方が変わると見上げる動きから楽になっていくことがあります。

こんな方に気になりやすい(セルフチェック)

次のような項目に心当たりが多い方は、負担が集まりやすい傾向があると言われています。当てはまること自体が異常を意味するわけではありません。

  • 上を見上げると首から肩にかけてのこりが強まる
  • 高いところを見る、見上げて作業する場面を避けるようになった
  • 肩が前に入り、頭が前に出ていると言われたことがある
  • 肩甲骨を背中の内側に寄せる動きがやりにくい
  • 首や肩をほぐすと一時的に楽になるが、数日でまたこってくる

ご自宅でできる工夫

痛みが和らいできたら、一般的なセルフケアとして次のような工夫が知られています。

  • 両手を後ろで組み、胸を開きながら肩甲骨をゆっくり内側に寄せる動きを数回行う
  • あごを軽く引き、頭を肩の真上に戻す位置を1日に何度か確かめる
  • うつぶせや座った姿勢で、肩甲骨を下げながら寄せる動きをゆっくり繰り返す

痛みやしびれが強いとき、力が入りにくいときは無理に行わず中止し、医療機関にご相談ください。

こんなときは医療機関へ

多くは時間とともに和らいでいくと言われていますが、次のような場合は、自己判断せず早めに医療機関を受診してください。

  • 腕や手にしびれ、力の入りにくさが出てきた
  • 上を向いたときにめまいやふらつき、吐き気がある
  • 今まで経験したことのない強い頭痛を伴う
  • 安静にしていても痛みが強く、夜も眠れない
  • 発熱や体重減少など体調の不調を伴っている

よくある質問

首肩のこりなのに、肩甲骨や胸の前を施術するのはなぜですか?

この症例では、肩甲骨が外側に開いたまま内側に寄らず、頭が前に出た姿勢が長く続いていたことで、首の後ろの筋肉がふだんから頭を支え続けていました。肩甲骨を外側に引いている胸の前と肋骨まわりの筋肉をゆるめ、肩甲骨が内側に寄れるようにすることで、首の後ろの負担を減らしています。状態によって進め方は異なりますので、来院時にご相談ください。

どのくらいの回数と期間がかかりましたか?

この症例では、4回目で避けていた上を見上げる動きができるようになり、12回目でふだんのこりが出なくなりました。約16回、3か月を経て、現在はメンテナンスとトレーニングを継続されています。経過は体の状態や生活によって異なります。

長年のこりでも変わりますか?

この症例では、長く続いていたこりでしたが、肩甲骨の位置と頭の位置から整え、背中で支える筋肉のトレーニングを重ねることで、見上げる動きから順に楽になっていきました。期間や変化の出方は体の状態によって異なりますので、まずは現在の支え方を確かめるところから始めています。

中村 拓真中村 拓真

上を見上げると首肩のこりが強まる、長年こりが続いているという方は、肩甲骨の寄りにくさと頭の位置から確かめると進め方が見えてきます。どんな場面で強まるかを教えていただければ、一緒にたどっていきますので、一度ご相談ください。

症例をさらに深掘り

この症状について、担当者と複数のスタッフで臨床的に検討したカンファレンス記事もあります。評価の進め方や考え方の詳細はこちらをご覧ください。

上を向くと首が張る肩こりと、下を向くと肩が張る肩こり。同じデスクワークの2症例をスタッフで検討

施術担当者

中村 拓真
とんとん整骨院 東武練馬店

経歴

柔道整復師。東武練馬店所属。お一人おひとりの動きをていねいに評価し、痛みの出どころを整理しながら、生活やスポーツに合わせた施術とセルフケアをご提案しています。
監修:瀬谷崎 将也(とんとん整骨院 代表・柔道整復師)
症例の掲載方針

症例レポートは、改善した例だけでなく、そうでなかった例も含めて結果を選ばず掲載しています。

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