定年退職後のトレーニングで右膝全面がズキズキして歩けなくなった状態から約1年かけて深くしゃがめるまでに戻った症例
主訴
当院の評価
患者様への説明
膝そのものだけでなく、股関節と足首の動きの硬さがあり、膝への負担が集中しやすい状態になっていた可能性があります。また臀部の筋力低下により、膝を支えるための力が不足していたと考えられます。
日常動作・解剖学的動診
【日常動作】 歩行時に右膝前面に痛みが出る しゃがみ動作など膝を曲げる動作で痛みが出る 正座ができない 【解剖学的動診】 膝屈曲動作:右膝前面に痛みが出る 歩行:右膝に荷重時痛が出る
身体機能評価
股関節の可動域制限や足関節の可動域制限 臀部筋群の筋出力低下 股関節や足関節の制限による膝への代償負荷
判断
股関節や足関節の機能低下と臀部筋力の低下が重なり、右膝前面への過剰な負荷を引き起こしていることが主な原因である可能性があると判断しました。
施術の様子
患者様への説明
この方は、運動を始めたことをきっかけに、股関節と足首の硬さで膝に負担が集中していました。股関節・足関節の動きを広げ、お尻の筋肉を使えるようにして、トレーニングでも膝に負担が偏りにくい状態を目指しました。
専門的内容
【手技療法】 股関節可動域改善手技・足関節可動域改善手技 【運動療法】 臀部筋群の筋出力向上トレーニング 【物理療法】 電気施術(ハイボルト)※初期〜中期 【鍼灸】 腰・臀部・内転筋への鍼施術(中期以降) 【セルフケア指導】 トレーニング量の調整指導・膝に負担をかけない動作指導
施術の経過
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初期
1回〜3回 初回施術後は痛みの変化がなく歩行痛が続いていましたが、数回施術を重ねる中で膝の痛みが少しずつ和らいできました。動かすことへの恐怖感も徐々に減ってきた様子でした。
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中期
4回〜10回 歩行時の痛みが来院時の半分程度まで落ち着いてきました。その後は歩行時の痛みをほぼ感じなくなる場面が増えてきましたが、1週間経つと元に戻りやすい状態が続いていました。日常生活での支障はほぼなくなってきたものの、最大屈曲ではまだ症状が出る状態でした。
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後期
歩行時や膝を曲げたときの痛みが落ち着いてきています。運動を続けたい方のため、再発予防として股関節・足首の柔軟性とお尻の筋力づくりを続けています。
料金・通院目安
料金の目安
初回料金
施術 4,400円 + 物理療法 1,100円
2回目以降の料金
施術 4,600円 + 物理療法 1,100円 + 鍼灸 1,100円
通院の目安
施術回数
17回
施術期間
約12ヶ月
ここでは、この症例の記録とは別に、「右膝の前面が歩行時や屈曲時に痛む」という状態について、一般的な見方やご自宅でのヒント、医療機関へ相談する目安を確認します。
膝が痛くなるのはなぜ?
膝の痛みは、膝そのものだけでなく、股関節や足首の動き、太ももの筋力の影響を受けると言われています。立ち座りや階段で痛みを感じる場合には、膝に負担が集まりやすい体の使い方がかかわっていると考えられることもあるため、膝以外の部位にも視野を広げることが大切とされています。
膝の痛みが、膝の上下にある股関節と足首、太ももの筋力と関連していることがあります。膝まわりだけに限らず、脚のつながり全体を点検することが役立つと言われています。
川口 流世膝の痛みでは膝だけを疑いたくなりますが、股関節や足首の動きと太ももの筋力まで観察すると、負担が膝へ寄っていく流れがたどれることがあります。原因の候補は膝の中だけとは言えないんです。
こんな方に気になりやすい(セルフチェック)
次のような項目に心当たりが多い方は、負担が気になりやすい傾向があると言われています。当てはまること自体が異常を意味するわけではありません。
- 立ち座りや階段の場面になると膝が痛む
- 膝がスッと曲げ伸ばしできず、引っかかる瞬間がある
- 太ももの筋肉が薄くなってきた・弱さを感じる
- 股関節や足首の柔らかさが足りない気がする
ご自宅でできること
広く知られる一般的なセルフケアとして、次のような工夫が挙げられます。
- 痛みが強くなる動作を一時的に控える
- 太ももの前の筋肉をゆっくり使う運動を無理のない範囲で行う
- 股関節や足首をやさしく動かして柔軟性を保つ
痛みやしびれが強いとき、力が入りにくいときは無理に行わず中止し、医療機関にご相談ください。
こんなときは医療機関へ
膝の症状の多くは負担の見直しで和らいでいくと言われていますが、次のような場合は、自己判断せず早めに医療機関を受診してください。
- 膝が大きく腫れている、熱を持っている
- 膝に力が入らない、急にがくっと崩れる
- 安静にしていても強く痛む、夜間に痛みで目が覚める
- 発熱を伴う、または転倒など強くぶつけた後の痛み
よくある質問
膝が痛いとき、運動は控えた方がよいですか?
痛みや腫れが強い間は無理をしないことが前提ですが、一般的に太ももの筋力を保つことは膝にとってプラスに働くと言われています。様子を見ながら少しずつ動かすようすすめられることがあります。
なぜ膝の痛みで股関節や足首まで確かめるのですか?
膝は股関節と足首にはさまれた関節であり、上下の関節の動きが伝わりやすいと言われています。その理由から、膝と脚全体をセットで観察します。
膝の変形を指摘されました。動かしてもよいのでしょうか?
一般には、無理のない範囲で体を動かすことが膝の支えになると考えられています。不安があるときは医療機関にご相談ください。
川口 流世歩くたびに膝が痛むと、外に出るのがおっくうになりますよね。脚全体の使い方を分けてとらえると、負担が減ることがあります。心配なときはお早めにご相談ください。
この症状について、担当者と複数のスタッフで臨床的に検討したカンファレンス記事もあります。評価の進め方や考え方の詳細はこちらをご覧ください。
施術担当者

経歴
症例レポートは、改善した例だけでなく、そうでなかった例も含めて結果を選ばず掲載しています。








運動を始めて出た膝の痛みは、股関節や足首の硬さで膝に負担が集中することが背景にあることがあります。この方もその動きの硬さが影響していました。土台を整えたことが変化につながった症例です。