腰と背中の痛み、原因は股関節か。症例をスタッフで検討

腰の痛み、なぜ「股関節」に着目したのか

1つの症例を、担当した大畑先生(とんとん整骨院 東武練馬店)と、瀬谷崎・まなぶ・教子とともに検討します。2か月続いた腰と背中の痛み。腰そのものでなく股関節・体幹に出どころを見た判断について、所見という事実と、経過という結果から、その妥当性を確かめていきます。

とんとんでは、1つの症例を担当者だけの判断で終わらせず、スタッフ同士で検討して見方を確かめています。今回は、長く座る仕事の30代男性。2か月続いた腰痛と、安静時にも出る背部痛の症例です。答えを急がず、事実と結果から見ていきます。

症例カルテ:腰と背中の痛み、股関節に着目
今回検討する症例(担当:大畑先生)。詳しい経過は症例レポートに掲載しています。
事実:所見と経過

主訴=長時間座位での腰痛、安静時の背部痛(30代・男性)。所見=立位伸展・座位回旋で腰背部に痛みが再現、股関節伸展の制限、腹斜筋・中殿筋の出力低下。対応=腰部へ鍼で筋緊張をゆるめつつ、股関節の可動と体幹・殿筋の再教育。経過=座位時の痛みが段階的に軽減し、ベルトを外しても出にくくなり、現在は再発予防を継続。
※経過には個人差があり、すべての方に同じ変化を保証するものではありません。気になる症状は医療機関への受診もご検討ください。

腰の痛みの原因は股関節の硬さか

主訴は腰と背中の痛み。けれど大畑先生は、痛む場所そのものより、その負担を生んでいる場所に出どころがあるのではないか、と考えました。その根拠を確かめます。

大畑先生大畑先生

主訴は長時間座っての腰痛で、背中は安静時にも痛むという方でした。ただ所見を取ると、股関節の伸展制限と、腹斜筋・中殿筋の出力低下があって。痛む場所と、負担を生んでいる場所は違うのではないか、と考えました。

まなぶ先生まなぶ先生

腰と背中が痛いのに股関節に目を向けたのは、何が根拠だったんですか。

大畑先生大畑先生

立位で腰を反らすと腰背部に痛みが再現される一方、股関節の伸展がはっきり制限されていました。長く座る生活で股関節が硬くなり、お腹やお尻が使えず腰に負担が偏る、という像が所見と一致したんです。だから断定でなく、まずその仮説で進めました。

腰痛で見逃せない、腰椎・内臓由来との鑑別

「腰のせいではない」と考えるには、先に外しておくべきものがあります。教子先生がそこを確認しました。

教子先生教子先生

その見立ての前に、腰椎そのものや、内臓由来の背部痛は外せていましたか。

大畑先生大畑先生

安静時痛があったので、まず危険なサインの有無と、動作で痛みが再現されるかを確認しました。神経症状や全身症状はなく、体動で再現したので、機械的な負担の問題と考えています。

瀬谷崎瀬谷崎

そこを外したうえでの判断なら、筋道は通っていますね。危険なものと腰椎由来を除外し、再現する動作と可動・筋出力が股関節から体幹を指す。所見が揃って初めて、そこを対象に選べる。順序が妥当だと思います。

腰痛にコルセット(ベルト)は必要か

経過の途中で出てきたのが腰ベルトです。楽になったからこそ、その扱いを確かめておきます。

まなぶ先生まなぶ先生

経過で出てきたベルトの扱いも気になりました。

大畑先生大畑先生

座位で痛みが強い時期は、ベルトで支えると楽になったので補助に使いました。最終的には外しても出にくくなって、今は再発予防に股関節と体幹を続けてもらっています。

瀬谷崎瀬谷崎

ベルトを「治す道具」でなく一時的な補助と位置づけ、運動へ移行できているのが要点ですね。支えで痛みを下げつつ、根本は使い方を変える。外せたという経過も、その方向を支持しています。

考察:股関節と体幹からとらえる腰の出どころ

所見という事実(股関節の制限・体幹や殿筋の弱さ・動作での再現)と、経過という結果(座位痛の軽減、ベルトを外せたこと、再発予防の継続)。この両方が、「腰そのものでなく股関節・体幹に出どころを見た」という見立ての妥当性を支えています。痛む場所と原因が一致しないことはあり、決めつけずに所見と動作で出どころを絞る。この症例では、その姿勢が妥当だったと言えます。

※本記事は実際の症例をもとにスタッフで検討したものです。経過には個人差があり、すべての方に同じ結果を保証するものではありません。強い痛みやしびれ、安静時にも続く痛みがあるときは、医療機関への受診もご検討ください。

瀬谷崎将也
株式会社とんとん/とんとん整骨院 代表。臨床系セラピストスクール「ANOアカデミー」主宰。

とんとん整骨院 代表。柔道整復師として、都内に鍼灸整骨院4店舗・鍼灸院1店舗を運営。多くの患者と関わる中で、「痛み」や「慢性疼痛」への深い理解の必要性を痛感し、EBM(根拠に基づく医療)・バイオメカニクス・BPSモデル(生物心理社会モデル)を軸とした臨床を実践。その知見をもとに、臨床系セラピストスクール「ANOアカデミー」を主宰し、セミナー運営など施術者の育成・教育にも精力的に取り組んでいる。

読みもの

症状コラム

施術・検査ガイド

とんとんブログ

電話
タップで電話がかかります
LINE
24時間予約受付中
東武練馬店
ときわ台店
下板橋店
南浦和店