足の付け根の前が痛いのはなぜ?股関節の前側の痛みと大腿直筋の考え方
症状コラム
「股関節の前」が痛いとき、どこを見るか
立ち上がりや脚を上げる動き、長く座ったあとなどに、足の付け根の前(骨盤の出っ張りの少し下)が痛むことがあります。股関節そのものより、太ももの前の筋肉(大腿直筋)の付け根が関係していることがあります。
「足の付け根の前が痛い」と聞くと、股関節が悪いのかな、と不安になる方が多いです。けれど痛む場所をたどると、太ももの前の筋肉が骨盤につく部分(大腿直筋の起始部)に行きあたることがあります。どこの痛みなのか、何ができるのかを整理します。
院での大腿直筋の付け根へのアプローチの様子(施術者向けの実演)。ご自身では無理に行わないでください。
足の付け根の前が痛い、それはどこの痛み?
骨盤の前には、上前腸骨棘(じょうぜんちょうこつきょく=ASIS)と呼ばれる出っ張りがあります。その少し下に、太ももを上げる筋肉「大腿直筋(だいたいちょっきん)」が付いています。座りっぱなしや、脚を上げる動作の繰り返し、反らす姿勢などで、この付け根に負担が積み重なると、足の付け根の前に痛みが出ることがあります。
立ち上がる、階段を上る、脚を持ち上げる、長く座ったあとに歩き出す。こうした「股関節を曲げる・太ももを上げる」場面で痛みが出やすいのが特徴です。
「股関節がすり減っているのかも」と決める前に
足の付け根の前が痛むと、関節そのものの問題だと思い込みがちです。患者さんからよく聞かれる声を、まなぶ先生と教子先生に代弁してもらいます。
まなぶ先生
教子先生
瀬谷崎とんとんでの確認とアプローチ
とんとんでは、まず痛む場所を触れて確認します。脚を開いて座ってもらい、大腿直筋の付け根のあたりを直接さわって、痛む位置を特定します。そのうえで、筋肉の走行に対して横向きに動かすモビライゼーション(上の動画)を行い、数回繰り返したあとに、痛みが出ていた動作をもう一度試して、痛みや動かしやすさが変わるかを確認します。
動画は施術者向けの実演です。ご自身で同じ手技を行う必要はありません(強く押しすぎてかえって痛める可能性があります)。
自分でできること・気をつけること
家では、無理のない範囲で次のことを意識してみてください。
- 長く座ったら、ときどき立って太ももの前をやさしく伸ばす(反らしすぎない範囲で)
- 痛みが強く出る動作を、頻度や強さの面で少し減らす
- 急に強い負荷をかけず、痛みが落ち着いてから少しずつ動かす
- 痛い場所を強く押し込んだり、グリグリ揉んだりしない
セルフケアは「気持ちよく感じる範囲」が目安です。痛みが増すなら中止してください。これらで必ず良くなると約束するものではなく、合わない場合もあります。
こんなときは医療機関へ
・安静にしても強い痛みが続く、夜間にうずく
・脚のしびれや力の入りにくさを伴う
・関節が引っかかる、こわばって動かしにくい、変形が気になる
・転倒や打撲のあとに急に出た痛み
こうしたサインがあるときは、自己判断せず、整形外科などの医療機関にご相談ください。
瀬谷崎













