オスグッドで前ももを伸ばすと膝下が痛い。お皿の下に負担をかけないストレッチのやり方
症状コラム
膝下が痛くて前ももを伸ばせない、そんなときのストレッチ
オスグッドで前ももを伸ばそうとすると、膝のお皿の下(脛骨粗面・けいこつそめん)が痛くてうまく伸ばせない、ということがよくあります。じつは伸ばし方を少し変えるだけで、お皿の下への負担を抑えながら太ももの前を伸ばすことができます。
成長期にスポーツをしている子どもに多いオスグッド(オスグッド・シュラッター病)。前ももが張るからとストレッチをすすめられても、いざ伸ばすと膝のお皿の下が痛くて続けられない、という声をよく聞きます。痛いのを我慢して伸ばすのは逆効果になりかねません。ここでは、膝下の出っ張りに負担をかけにくいストレッチの考え方を整理します。
膝下に負担をかけにくい前もものストレッチの解説(施術者向け)。ご自身で試す場合は痛みのない範囲でゆっくり行い、痛みが出たら中止してください。
オスグッドで「膝下が痛い」のはどこの痛み?
太ももの前の筋肉(大腿四頭筋・その中心が大腿直筋=だいたいちょっきん)は、膝のお皿(膝蓋骨)を経由し、膝蓋靭帯(しつがいじんたい)という腱を通じて、すねの上のほうの出っ張り「脛骨粗面(けいこつそめん)」に付いています。
成長期はこの出っ張りの部分がまだやわらかく、太ももの前の筋肉に繰り返し引っぱられると、痛みや腫れが出やすくなります。これがオスグッドです。ジャンプやダッシュ、ボールを蹴る動作など、前ももを強く使う場面で負担がかかります。なぜ前ももだけ伸ばせばよいわけではないのか、という全体の考え方はオスグッドは大腿四頭筋を伸ばすだけでいいのかでくわしく整理しています。
前ももを伸ばすと、なぜお皿の下が痛むのか
ふつうに前ももを伸ばそうとすると、膝を深く曲げてかかとをお尻に近づける形になります。このとき膝蓋靭帯がピンと張り、付着部である脛骨粗面を引っぱり上げる方向に力がかかります。もともと負担で痛んでいる出っ張りを、さらに引っぱってしまうわけです。だから「伸ばすと痛い」が起きます。
まなぶ先生
教子先生
瀬谷崎お皿の下に負担をかけにくいストレッチのやり方
ポイントは「先に膝を深く曲げてから伸ばす」ことです。あらかじめ膝を曲げておくと、伸ばすときに腱にかかる力の向きが変わり、脛骨粗面を引きはがすのではなく、むしろ骨に軽く押し付ける向き(圧着する向き)に働きます。引っぱられないので、出っ張りに痛みが出にくくなります。
- 横になり、伸ばす側ではないほうの脚(下側の脚)の膝を抱えて、体を安定させます。
- 伸ばす側の膝を、先にしっかり曲げておきます(かかとをお尻に近づけた状態を作る)。
- その曲げた状態を保ったまま、太ももの前を伸ばす方向へ、ゆっくり股関節を動かしていきます。
- 太ももの前にじんわり伸びる感じが出て、なおかつ膝のお皿の下に痛みが出ない位置を探します。
- 痛みのない範囲で20〜30秒ほどキープし、2〜3回くりかえします。
姿勢の作り方は上の動画も参考にしてください。大切なのは、膝下の出っ張りに痛みが出ないこと。少しでもお皿の下が痛むなら、力の向きがまだ引っぱる方向になっています。曲げ具合や脚の向きを調整して、前ももだけが伸びる位置を探してみてください。
自分でやるときに気をつけること
- 膝のお皿の下(脛骨粗面)に痛みが出たら、その時点で中止する
- 反動をつけず、ゆっくり伸ばして、ゆっくり戻す
- 痛い出っ張りを直接強く押したり、グリグリ揉んだりしない
- 運動の前後だけでなく、痛みが落ち着いている時間帯に無理なく行う
- 痛みが強い時期は、ストレッチより先に運動量の調整を優先する
セルフケアは「気持ちよく伸びる範囲」が目安です。これで必ず良くなると約束するものではなく、合わない場合もあります。痛みが増すようなら中止してください。
こんなときは医療機関へ
・安静にしていても膝下が強く痛む、夜にうずく
・出っ張りが大きく腫れている、熱を持っている
・歩く、しゃがむといった日常動作にも痛みが出る
・転んだりぶつけたあとに急に強い痛みが出た
オスグッドは成長期の骨の発達と関わる症状です。自己判断で運動を続けず、こうしたサインがあるときは整形外科などの医療機関にご相談ください。とんとんでも、どこにどんな負担がかかっているのかを確認しながら、その子に合った進め方を一緒に考えていきます。
瀬谷崎














