問診は、型を覚えるだけでは変わらない。患者コミュニケーションの学び方

問診は、型を覚えるだけでは変わらない

患者コミュニケーションは、テクニックを覚えれば上手くいく、という単純なものではありません。アカデミーの勉強会で問診を扱うときに、何を大切にしているのかを整理します。

問診の質は、知識やテクニックの量だけでは決まりません。型を知ったうえで、それを体現できるか。そこを練習で埋めていく場でありたいと考えています。

問診を学ぼうとすると、まず「どう聞くか」というテクニックに目が向きがちです。

もちろん、聞き方の引き出しは大切です。ただ、テクニックを覚えただけでは、患者コミュニケーションの質はなかなか変わらないと感じています。

アカデミーの勉強会では、弊社の患者コミュニケーションにおける「5つのルール」を深掘りすることがあります。言葉にすると単純なのですが、体現する難易度は、正直かなり高いです。

伊藤聡史伊藤聡史

若手を見ていると、問診のテクニックは覚えているのに、現場だと噛み合わない、ということが結構あるんです。知っているのと、できるのが、別なんですよね。

瀬谷崎瀬谷崎

そこは本当にそうですね。ルール自体は、聞けば「なるほど」と思える内容なんです。でも、それを目の前の患者さんとのやりとりのなかで自然に体現するとなると、急に難しくなる。だから、知ることと練習することの両方が要る気がします。

「5つのルール」は、知っていても体現が難しい

勉強会で問診のルールを扱うと、思った以上に反響があります。

聞いてみたい先生の問診は、人によって重要視している部分が違っていて、それ自体がとても学びになります。

ルールは、覚えること自体は難しくありません。難しいのは、それを実際の場面で、相手に合わせて使えるようになることです。

ルールを体現する難易度は、かなり高い。ただ、少しでもできるようになると、患者コミュニケーションの質は大きく変わると感じています。

テクニックの前に、何を見ているか

問診で大切にしたいのは、聞き方そのものより、相手の何を見ているか、という視点です。

  • 目の前の患者さんは、何を求めて来ているのか
  • 言葉に出されたニーズは、本当にその人の望みと一致しているのか
  • 患者さんが僕らに求めている役割は、どんなものなのか
  • 医療者として、僕らが果たすべき役割は何なのか
  • そのなかで、僕らはどう振る舞うべきなのか

こうした問いを持ちながら聞くと、同じテクニックでも、相手への届き方が変わってきます。

問診の落とし穴

テクニックを増やすほど、上手くなった気がします。ただ、表に出されたニーズをそのまま受け取ってしまうと、本当に大切なところを取りこぼすことがあります。聞き方より、何を見ているかが先です。

伊藤聡史伊藤聡史

結局、細かいテクニック以上に、一生懸命さとか、自信とか、抽象的なところが効いている気もするんです。練習会でも、そこは数をこなすしかない部分で。

瀬谷崎瀬谷崎

そこは僕も同じ感覚です。一生懸命さや自信といった抽象的な要素、そしてひたすら練習する、という脳筋みたいな部分は、やっぱり大事なんですよね。各フェーズのポイントを押さえつつ、最後は体に入るまで繰り返すしかない気がします。

一生懸命さと、自信と、練習

問診には、各フェーズごとにポイントや注意点があります。

ただ、それを知っただけでは、振る舞いは変わりません。練習会では、9時から問診の練習に時間を取ることもあります。

知識を入れて終わりにせず、ロールプレイで繰り返し、自分の振る舞いを少しずつ変えていく。地道ですが、ここが一番効いてくると感じています。

とんとん整骨院が大切にしていること

とんとん整骨院では、問診を「聞き方のテクニック」だけで終わらせないことを大切にしています。

テクニックは入口です。その先で、相手が何を求めているかを見て、自分の振る舞いを合わせていく。

そこは、知識だけでは埋まりません。だから、勉強会と練習をセットで続けています。

受講を検討している方へ

募集人数や受付状況、内容の詳細は時期によって変わることがあります。最新情報はANOアカデミー公式ページでご確認ください。

問診は、知ってから、できるまでが長い

問診のルールやテクニックは、覚えること自体は難しくありません。

本当に難しいのは、それを目の前の患者さんとのやりとりで体現することです。

知ってから、できるまで。その距離を、練習で少しずつ縮めていく場にしていきたいと考えています。

瀬谷崎瀬谷崎

問診は、知識を増やすほど上手くなる、という単純なものではないんですよね。だからこそ、繰り返し練習できる場の価値がある。地味なところを、一緒に積み上げていきたいですね。

瀬谷崎将也
株式会社とんとん/とんとん整骨院 代表。臨床系セラピストスクール「ANOアカデミー」主宰。

とんとん整骨院 代表。柔道整復師として、都内に鍼灸整骨院4店舗・鍼灸院1店舗を運営。多くの患者と関わる中で、「痛み」や「慢性疼痛」への深い理解の必要性を痛感し、EBM(根拠に基づく医療)・バイオメカニクス・BPSモデル(生物心理社会モデル)を軸とした臨床を実践。その知見をもとに、臨床系セラピストスクール「ANOアカデミー」を主宰し、セミナー運営など施術者の育成・教育にも精力的に取り組んでいる。

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