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検査手技の正確性が、結果の信頼を支える。頚肩部の確認検査とANOテストの練習会

同じ検査のつもりでも、手が違えば結果は変わる

月1回のANOアカデミー実技練習会。今回のテーマは、頚肩部の確認検査とANOテストでした。検査手技の正確性は、検査の信頼性や妥当性にも影響します。だからこそ、繰り返しの研鑽が必要だと考えています。

検査は、正確にできてはじめて判断の材料になります。手の当て方や力の方向が毎回ぶれると、結果が変わった理由を読み取れなくなる。そうならないために、私たちは月1回の練習会で手技を確かめ合っています。

2026年7月、月1回のANOアカデミー実技練習会を行いました。今回のテーマは、頚肩部の確認検査とANOテストです。スタッフがペアに分かれ、お互いの体で検査の手順と手の当て方をひとつずつ確かめ合いました。

ANOアカデミー実技練習会で、スタッフがペアに分かれて頚肩部の確認検査を練習している様子(2026年7月)
ペアに分かれて、頚肩部の確認検査を練習しました(2026年7月)。
伊藤聡史伊藤聡史

今回の練習会であらためて感じたのは、検査手技の正確性は、検査の信頼性や妥当性にも影響する、ということでした。同じ検査をしているつもりでも、手の当て方や力の方向が少し違うだけで、出てくる結果が変わってしまうんですよね。

瀬谷崎瀬谷崎

そうですね。検査というと、どの検査を選ぶかに目が行きがちですけど、その前に、選んだ検査を正確にできているか、のほうが大きい気がします。手順が毎回ぶれると、結果が変わったのが患者さんの状態のせいなのか、自分の手のせいなのか、分からなくなってしまうので。

頚肩部で確かめたこと

とんとん整骨院では、動きの検査で出した再現痛を、確認検査とANOテストで絞り込んでいきます。確認検査は、関節の運動をひとつ抜いて痛みの変化を見る検査。ANOテストは、原因と考えている筋を押さえたまま動いてもらい、痛みの増減を見る検査です。検査の位置付けについては、「ANOテスト」とは何かで詳しく書いています。

伊藤聡史伊藤聡史

頚肩部は、首・肩甲帯・胸郭の動きが重なる場所です。確認検査で運動をひとつ抜くにも、固定が甘いときれいに抜けません。今回の練習でも、固定の位置をわずかに変えるだけで痛みの出方が変わる場面があって、そこをお互いに指摘し合えたのが収穫でした。

瀬谷崎瀬谷崎

ANOテストも同じで、押さえる筋がずれていたら、判断の材料になりません。押さえる場所・深さ・方向は、お互いの体で確かめながら覚えていくしかないのかなと。頭で分かっているのと、手でできるのとは、別の話だと思うので。

ANOアカデミー実技練習会で、瀬谷崎がスタッフの頚肩部に手を当てて検査手技を確かめている様子(2026年7月)
手の当て方や力の方向を、その場で確かめながら進めます。

検査手技の正確性は、検査の信頼性や妥当性にも影響する。

信頼性と妥当性という視点

信頼性とは、同じ条件で検査をすれば同じ結果が返ってくること。妥当性とは、その検査が、本当に確かめたいものを確かめられていることです。手技が不正確だと、この両方が土台から崩れます。どんなに検査の知識を増やしても、手がぶれていたら結果を信頼できません。

伊藤聡史伊藤聡史

信頼性や妥当性というと教科書の言葉に聞こえますが、現場に置き換えると、昨日の自分と今日の自分で結果がぶれないか、という話です。施術の前後で比べるにも、スタッフ間で所見を共有するにも、検査が正確であることが前提になります。

瀬谷崎瀬谷崎

当たり前のことを当たり前にやる、というのがANOアカデミーの考え方ですけど、検査を正確にやる、はその筆頭かもしれません。基礎をやり直す実技練習会と同じで、できるつもりを減らしていく作業を、これからも続けていきたいと思っています。

検査から介入までを、ロープレで通す

後半は、ロールプレイング形式で、検査から介入までの一連の流れを通しで練習しました。検査を単体で正確にできることと、施術の流れの中で使えることは、また別の技術です。参加したスタッフからは、検査がスムーズに進んだぶん、介入までの流れを落ち着いて確認できた、という声もありました。

ANOアカデミー実技練習会で、スタッフが座位の相手の頚肩部を触診している手元の様子(2026年7月)
頚肩部の触診。押さえる場所と深さを、指先で確かめます。
伊藤聡史伊藤聡史

検査の手技がスムーズになると、ロープレでも流れが途切れませんでした。検査で迷っていると、そのあとの介入も慌ただしくなる。検査の正確さは、施術全体の質に効いてくるんだと思います。

瀬谷崎瀬谷崎

検査と介入を分けて練習して、最後に通しで確認する。この順番だと、自分がどこで詰まるのかも分かりやすいですよね。現場でそのまま使える形に落とし込むところまでやって、練習会なのかなと思います。

月1回、手技を確かめ合う場を続ける

検査手技は、一度覚えたら終わりではなく、使っているうちに少しずつ自己流に寄っていきます。だからこそ、月1回の練習会でお互いの手を確かめ合い、基準に戻す。地味な作業ですが、検査の結果を信頼できるかどうかは、この積み重ねで決まると考えています。

ANOアカデミーでは、こうした実技練習会やオンラインカンファレンスを通じて、評価と検査の質を保つための研鑽を続けていきます。

執筆者の所属店舗

この記事を書いた伊藤聡史は、とんとん整骨院グループの臨床技術責任者として、グループ全店(東武練馬店ときわ台店下板橋店南浦和店こもれび鍼灸院)の検査・施術の技術指導を担当しています。主な勤務先はときわ台店で、南浦和店にも定期的に入っています。

東武練馬店ときわ台店下板橋店南浦和店こもれび鍼灸院

伊藤聡史
株式会社とんとん/とんとん整骨院。臨床技術責任者。柔道整復師。

臨床系セラピストスクール「ANOアカデミー」講師。院内では臨床研修責任者として若手の技術指導を担い、論文抄読会の主催など、根拠に基づく施術(EBM)の浸透に取り組んでいる。

監修:瀬谷崎将也
とんとん整骨院代表・柔道整復師

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