そのコリ…表面からでは芯に届かないかも…。とんとんの鍼灸アプローチ

もみほぐしても戻るこりは、深いところに芯が残っているのかもしれません

マッサージや整体で一時は楽になっても、またすぐ戻ってしまう。その背景には、手の届きにくい深いところに、こりの芯が残っていることがあります。とんとんが鍼灸をどう見て、どう考え、どうアプローチをするのか。鍼灸師の新谷優樹、こもれび鍼灸院 院長の横田未帆、そしてとんとん社長 瀬谷崎将也がご紹介します。

鍼(はり)は、手では届きにくい深いところの筋肉に直接はたらきかけられるのが特徴です。とんとんでは、ただ深く刺せばよいとは考えていません。どの筋が今のつらさに関わっているのかを確かめながら、効くと思える一手にしぼっていく。ここでは、その考え方を3人で整理してご紹介します。

首肩のこりに鍼灸で向き合った例。担当はこもれび鍼灸院 院長の横田未帆です(くわし
首肩のこりに鍼灸で向き合った例。担当はこもれび鍼灸院 院長の横田未帆です(くわしくは症例レポートへ・個人差あり)。
横田未帆横田未帆

この方は、噛みしめのクセもあって首肩のこりが深く残っていました。表面をゆるめるだけでは戻りやすかったので、奥の筋を確かめながら鍼で届けていきました。少しずつ楽になっていかれましたが、よくなり方には個人差があります。

瀬谷崎将也瀬谷崎

実例ですね。痛い場所だけを追わず、背景まで見て一手をしぼる。鍼灸でも考え方は同じです。

もみほぐしても戻るのは、芯に届いていないからかもしれない

新谷優樹新谷優樹

社長、よく『揉んでもらうとその時は楽だけど、すぐ戻る』と言われます。あれはどう見ればいいんでしょう。

瀬谷崎将也瀬谷崎

表面の筋肉がゆるんでも、奥のほうに硬さの芯が残っていると、また引っぱられて戻りやすいんです。手の施術はとても大事ですが、分厚い皮膚や脂肪、表層の筋の上から触れているので、いちばん奥の筋にまっすぐ届けるのは難しいことがある。

新谷優樹新谷優樹

そこに鍼の出番があります。鍼は表層を通り越して、深いところの筋にそのまま届けられる。硬さの芯に当たると、ズーンと響く感覚があるんです。これを得気(とくき)と呼んでいて、響きがあるかどうかで変わってくると言われています。

瀬谷崎将也瀬谷崎

とんとんの考え方とも重なります。痛いところ・こっているところが、原因の中心とは限らない。別の部位の動きが落ちて、その分をどこかが代わりに引き受けて硬くなる。その芯が深いところにあるなら、表からだけでは追いきれないことがあるんです。

手の施術は表層にとどまりやすく、鍼(はり)は深いところの芯に届きやすいと言われて
手の施術は表層にとどまりやすく、鍼(はり)は深いところの芯に届きやすいと言われています(こもれび鍼灸院の解説図より・感じ方には個人差があります)。
ここがポイント

もみほぐして一時的に楽になっても戻りやすいのは、手では届きにくい深いところにこりの芯が残っていることがあるためと言われています。鍼(はり)は表層を通り越して深部の筋に直接はたらきかけられるのが特徴で、芯に当たったときのズーンと響く感覚(得気)をひとつの目安にしています。

「痛い場所が原因とは限らない」という体のつながりの考え方は痛い場所が、悪い場所とは限らない。体の「運動連鎖」とは、「硬いから痛いとは限らない」という見方はマッサージで楽になることはある。でも「硬いから痛い」とは限らないにまとめています。

鍼灸が向いているのは、どんなときか

新谷優樹新谷優樹

『どんな症状なら鍼がいいんですか』ともよく聞かれます。

瀬谷崎将也瀬谷崎

深いところのこりがなかなか抜けない、手の施術だけでは戻りやすい、というときは選択肢になりやすいです。ただ、鍼が万能というわけではありません。状態によっては手の施術や運動のほうが合うこともある。そこを見極めてから選びます。

横田未帆横田未帆

女性の患者さんだと、肩こりや腰のつらさに加えて、眠りが浅い、なんとなく体が重い、冷えが気になる、といったお悩みが重なっていることも多いです。鍼灸は皮膚や筋肉への刺激を通して体の反応を引き出す方法で、そうした自律神経まわりの不調で来られる方もいらっしゃいます。ただ、効き方には個人差があります。

瀬谷崎将也瀬谷崎

はっきりした病名のつくものや、強いしびれ・力の入りにくさがあるときは、まず医療機関での確認を先にお願いすることもあります。そこは無理をしないのが大事です。

こんなときは、まず医療機関へ

次のような場合は、自己判断で鍼灸だけに頼らず、先に医療機関の受診をご検討ください。

  • 手や脚に強いしびれがある、力が入りにくい
  • 安静にしていても強く痛む、夜間に痛みで目が覚める
  • 発熱を伴う、急に強い痛みが出た
  • 持病があり、体調や服薬に不安がある

つらい鍼灸の実例として、噛みしめをともなう首肩のこりに鍼灸で向き合った症例(個人差あり)もあります。自律神経まわりの不調の捉え方はその不調、自律神経のせい?だるさ・めまい・動悸との向き合い方もどうぞ。

決めつけず、効く一手をしぼる。とんとんの鍼灸の考え方

新谷優樹新谷優樹

深部に届くのが鍼の強みですが、やみくもに本数を増やせばいいわけではないですよね。

瀬谷崎将也瀬谷崎

そこが肝心です。とんとんでは『当たり前のことを当たり前に』を大事にしていて、原因と思える筋を、決めつけずに一つずつ確かめます。つらい動きをもう一度再現して、ここだと思う筋にはたらきかけたあと、もう一度動いてもらう。変化が出れば原因の候補、出なければ別を探す。効くと思える一手だけを残していきます。

新谷優樹新谷優樹

だから、必要以上にあちこち刺すのではなく、ねらいを定めてからになります。とんとんでは整体やリラクゼーションと組み合わせて、表層をゆるめてから芯に届ける、という進め方もします。

横田未帆横田未帆

鍼そのものへの不安もよく伺います。使う鍼は髪の毛より細く、すべて使い捨てです。芯に当たったときの響きは、いわゆる刺さるような痛みとは別もので、『あ、そこ』と感じる方が多いです。それでも合う合わないはありますので、無理はしません。

原因と考えられる筋にねらいを定め、深いところへ鍼を届けていきます(こもれび鍼灸院
原因と考えられる筋にねらいを定め、深いところへ鍼を届けていきます(こもれび鍼灸院での施術の様子)。
安心して受けていただくために
  • 使う鍼は髪の毛より細く、すべて使い捨て
  • やみくもに刺さず、原因と考えられる筋にねらいを定める
  • 整体・リラクゼーションと組み合わせ、表層をゆるめてから芯へ
  • 合う合わないには個人差があり、無理に続けることはしません

「効く筋を一つにしぼる」という確かめ方は、とんとんの「ANOテスト」とは何か。効く筋を1つに絞り込む検査の位置付け効く筋を1つに絞り込む。再現痛を指標にした確認のやり方にくわしくまとめています。

女性専門の鍼灸をご希望の方は、こもれび鍼灸院へ

女性鍼灸師による施術。女性専門の こもれび鍼灸院では、同じ女性だからこそ話しやす
女性鍼灸師による施術。女性専門の こもれび鍼灸院では、同じ女性だからこそ話しやすい時間を大切にしています。
横田未帆横田未帆

私が院長を務める こもれび鍼灸院 は、女性専門の鍼灸院です。肩こりや腰のつらさだけでなく、眠りが浅い、体が重い、冷えが気になるといった、はっきりした病名のつきにくいお悩みで来られる方が多いです。同じ女性だからこそお話ししやすいこともあると思いますので、ヒアリングの時間を大切にしています。

瀬谷崎将也瀬谷崎

女性専門というだけでなく、こもれびも とんとん と同じ考え方でやっています。つらい場所だけを追いかけるのではなく、背景にある体の使い方や自律神経の状態まで含めて見ていく。通うこと自体が目的にならないよう、ご自身で整えられる工夫もお伝えします。

こもれび鍼灸院(女性専門)

板橋区・東武練馬駅から徒歩1分。女性鍼灸師による完全予約制の鍼灸院です。だるさ・眠りの浅さ・冷え・肩こりなど、女性に多いお悩みのご相談を受けています(感じ方や経過には個人差があります)。くわしくはこもれび鍼灸院のご案内、アクセスやご予約はこもれび鍼灸院のページをご覧ください。

自律神経まわりの不調そのものの捉え方はその不調、自律神経のせい?だるさ・めまい・動悸との向き合い方自律神経症状をどう捉えるか。除外の姿勢と生活・運動からの関わり方もあわせてどうぞ。

とんとんの鍼灸アプローチの流れ

ここまでの考え方を、実際の進め方として整理すると、次のような流れになります。

  1. お悩みと体の状態をうかがう気になる症状や生活の様子、これまでの経過をていねいにヒアリングします。鍼灸が向くか、別の方法が合うかもここで見極めます。
  2. 急いで確認すべきサインを外す強いしびれや力の入りにくさ、安静時の痛みなど、先に医療機関へつなぐべきサインがないかを確認します。
  3. 原因と考えられる筋を確かめるつらい動きを再現しながら、どの筋が関わっているかを一つずつ確かめ、効くと思える一手にしぼります。
  4. 深部の芯に届ける/組み合わせる必要に応じて整体やリラクゼーションで表層をゆるめ、深いところの筋に鍼で届けていきます。
  5. セルフケアと付き合い方ご自身で整えられる工夫をお伝えし、通うこと自体が目的にならないよう、自立して付き合える状態を目指します。

深いこりを「表から」だけで終わらせない。届く仕組みと、効く一手を見極める

もみほぐして一時は楽になっても戻りやすいこりには、手では届きにくい深いところに芯が残っていることがあります。鍼(はり)は表層を通り越して深部の筋に直接はたらきかけられるのが特徴で、芯に当たったときの響き(得気)をひとつの目安にします。とんとんでは、ただ深く刺すのではなく、原因と考えられる筋を決めつけずに確かめ、効くと思える一手にしぼっていく。そして、はっきりした病名や危険なサインがあるときは、まず医療機関への受診をご案内します。これがとんとんの鍼灸へのアプローチです。感じ方や経過には個人差があり、すべての方に同じ結果を保証するものではありません。

※本記事は一般的な情報です。症状の感じ方や経過には個人差があります。強い痛みやしびれ、安静時にも続く痛み、力が入りにくいなどがあるときは、自己判断せず医療機関への受診もご検討ください。

よくある質問

鍼は痛くないですか?

使う鍼は髪の毛より細く、いわゆる刺さるような痛みとは別ものです。深部の芯に当たったときにズーンと響く感覚(得気)を感じることはありますが、これは痛みとは違うものです。感じ方には個人差があります。

鍼は衛生面が心配です。

当院で使う鍼はすべて使い捨てのものを使用しています。気になる点は、施術前に遠慮なくお尋ねください。

どんな症状だと鍼灸が向いていますか?

深いところのこりが手の施術だけでは戻りやすいときなどに選択肢になりやすいです。ただし状態によっては手の施術や運動のほうが合うこともあり、まず見極めてから選びます。強いしびれや安静時の痛みがあるときは、先に医療機関の受診をおすすめすることがあります。

女性の先生にお願いできますか?

女性鍼灸師による施術をご希望の方には、女性専門の こもれび鍼灸院(東武練馬・女性鍼灸師による完全予約制)もございます。眠りの浅さや冷え、肩こりなど、女性に多いお悩みのご相談を受けています。

鍼灸はどの店舗でも受けられますか?

鍼灸の取り扱いやご予約状況は店舗によって異なります。お近くの院にお問い合わせのうえ、ご相談ください。

鍼灸のご相談は、お近くのとんとんへ

鍼灸の取り扱いやご予約状況は店舗によって異なります。まずはお近くの院にご相談ください

瀬谷崎将也
株式会社とんとん/とんとん整骨院 代表。臨床系セラピストスクール「ANOアカデミー」主宰。

とんとん整骨院 代表。柔道整復師として、都内に鍼灸整骨院4店舗・鍼灸院1店舗を運営。多くの患者と関わる中で、「痛み」や「慢性疼痛」への深い理解の必要性を痛感し、EBM(根拠に基づく医療)・バイオメカニクス・BPSモデル(生物心理社会モデル)を軸とした臨床を実践。その知見をもとに、臨床系セラピストスクール「ANOアカデミー」を主宰し、セミナー運営など施術者の育成・教育にも精力的に取り組んでいる。

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