SNSで近づかない方がいいセラピストの見分け方

SNSの発信は、距離感まで見た方がいい

SNSは便利です。勉強になる発信もありますし、同業者とのつながりもできます。ただ、近づく相手を間違えると、自分の信用まで一緒に削られることがあります。

フォロワー数や勢いより、発信の中身を見た方がいいです。医療者としての距離感、倫理観、言葉の使い方は、投稿にけっこう出ます。

SNSを見ていると、いろいろなセラピストがいます。

勉強になる人もいます。考え方が整理されていて、患者さんにも同業者にも誠実な人もいます。

一方で、「この人には近づかない方がいいな」と感じるアカウントもあります。

露骨な誹謗中傷やスパムみたいなものは、まだ分かりやすいです。問題は、一見すると親切そうだったり、正義感が強そうだったり、すごく詳しそうに見えるタイプです。

まなぶ先生
まなぶ先生

SNSで仲良くする相手って、そんなに気にした方がいいんですか?

瀬谷崎
瀬谷崎

かなり気にした方がいいです。誰と近いかで、周りからの見え方も変わります。

遠隔アドバイスを軽くする人

まず距離を取った方がいいのは、SNS上で症状相談にすぐ具体的なアドバイスをする人です。

たとえば、一般の方が「ぎっくり腰になった」と投稿した時に、「このストレッチをしてください」「このツボを押してください」とリプライする。

気持ちは親切かもしれません。でも、評価していません。症状の強さも、既往歴も、しびれの有無も、生活背景も分かりません。

その状態で具体的な介入をすすめるのは、かなり危ういです。

親切そうに見える遠隔アドバイスほど、実は責任の所在があいまいです。

もちろん、一般的な注意喚起や受診目安を伝えることまで否定しているわけではありません。

ただ、個別の身体に対して、評価なしに具体的なことを言い切るのは別です。そこは分けて考えたいところです。

主語が大きすぎる人

次に気をつけたいのが、主語がやたら大きい人です。

ひとつの事例を見て、「この業界は終わっている」「整骨院は全部ダメ」「整体師はみんなこうだ」と広げてしまう。

たしかに、問題のあるケースはあります。怒りたくなることもあります。

でも、N=1の話を業界全体の話に広げると、事実の見え方がかなり歪みます。

まなぶ先生
まなぶ先生

でも、強く言った方が問題提起っぽく見えますよね。

瀬谷崎
瀬谷崎

見えます。でも、強い言葉と正確な言葉は別です。ここを混ぜると、発信がどんどん雑になります。

正義感があるように見えても、事実を広げすぎる人は注意が必要です。

巻き込まれると、こちらまで同じ温度感で見られることがあります。

医療情報を強く断言しすぎる人

医療や身体の情報で、「これをやれば治る」「この症状はこれが原因」と強く断言する投稿も、かなり注意して見た方がいいです。

SNSでは、はっきり言い切った方が伸びやすいです。分かりやすいし、保存もされやすい。見た人も「なるほど」と思いやすい。

でも、身体はそんなに単純ではありません。

症状には個人差がありますし、背景も違います。医療機関での確認が必要なケースもあります。

少し辛口に言うと

医療情報を断言しすぎる人は、本当に分かっていないか、分かったうえで数字を取りにいっているかのどちらかです。どちらにしても、距離は取った方がいいです。

逆に、何を聞かれても「可能性はゼロではありません」「人によります」だけで終わる人もいます。

それもまた、何も言っていないに近いです。

大事なのは、断言でも逃げでもなく、条件を示して話すことです。

「剥がし」を本気で言いすぎる人

「肩甲骨剥がし」「筋膜剥がし」みたいな表現があります。

患者さん向けのメニュー名や、イメージしやすくするための比喩として使うなら、まだ分かります。

問題は、同業者向けの発信でも、本当に何かを剥がしているようなトーンで使っている場合です。

まなぶ先生
まなぶ先生

患者さん向けの分かりやすい表現なら、ありですか?

瀬谷崎
瀬谷崎

比喩として使うなら分かります。ただ、同業者向けに本気で言っているなら、かなり警戒します。

言葉はキャッチーなほど広がります。

でも、キャッチーな言葉に引っ張られて、身体の理解まで雑になるなら危ないです。

患者さんの情報を軽く扱う人

これはかなり分かりやすく危ないです。

「今日来た患者さんがこうだった」「こんな症状で、こんな経過で、実はこういう背景があって」と、細かくSNSに書いてしまう人。

名前や住所を書いていなければ大丈夫、と思っているのかもしれません。

でも、他の情報と組み合わせれば個人が分かることがあります。地域、年齢、職業、症状、来院日、経過。こういう情報が重なると、かなり特定されやすくなります。

ここは特に注意

患者さんの情報を軽く扱う人は、知識以前に信用の問題です。どれだけ良いことを言っていても、距離を取った方がいいです。

医療や施術に関わる仕事は、患者さんの個人的な情報に触れます。

だからこそ、SNSでの発信には慎重さが必要です。

フォロワー数より、距離感を見る

SNSでは、フォロワー数が多い人や、投稿がよく伸びる人が「正しそう」に見えます。

でも、数字が大きいことと、医療者として信頼できることは別です。

見るなら、こういうところです。

  • 評価していない相手に、具体的な介入をすすめていないか
  • ひとつの事例を、業界全体の話に広げすぎていないか
  • 医療情報を強く断言しすぎていないか
  • キャッチーな用語を、専門的な事実のように扱っていないか
  • 患者さんの情報を軽く発信していないか

全部を完璧に見抜く必要はありません。

ただ、「この人、ちょっと危ういかも」と思ったら、無理に近づかなくていいです。遠くから眺めるくらいで十分なこともあります。

まなぶ先生
まなぶ先生

仲良くしているだけでも、同じように見られることってありますか?

瀬谷崎
瀬谷崎

あります。SNSでは、誰と近いかも信用の一部として見られます。そこは思ったより大事です。

SNSでは、近づかない判断も大事です

SNSは、勉強にもなります。良い出会いもあります。

でも、すべての発信に近づく必要はありません。勢いのある言葉、親切そうな遠隔アドバイス、正義感の強い批判、キャッチーな用語。そういうものほど、少し引いて見るくらいでちょうどいいです。

自分の信用を守るためにも、患者さんに誠実でいるためにも、SNS上の距離感はかなり大切だと思っています。

※特定の個人・団体を指すものではありません。SNSで医療・施術情報を見る時の距離感について、瀬谷崎の考え方をまとめたコラムです。

瀬谷崎
瀬谷崎

SNSは近づく力より、離れる判断の方が大事なこともあります。違和感がある相手には、ちゃんと距離を取りましょう。

瀬谷崎将也
株式会社とんとん/とんとん整骨院 代表。臨床系セラピストスクール「ANOアカデミー」主宰。

とんとん整骨院 代表。柔道整復師として、都内に鍼灸整骨院4店舗・鍼灸院1店舗を運営。多くの患者と関わる中で、「痛み」や「慢性疼痛」への深い理解の必要性を痛感し、EBM(根拠に基づく医療)・バイオメカニクス・BPSモデル(生物心理社会モデル)を軸とした臨床を実践。その知見をもとに、臨床系セラピストスクール「ANOアカデミー」を主宰し、セミナー運営など施術者の育成・教育にも精力的に取り組んでいる。

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