両側に症状が出る患者の評価。短い施術時間で確認検査を回す工夫
セラピスト向け
両側の症状は、片側ずつ速く確かめる
右に側屈すれば右、左に側屈すれば左。両側に症状が出る患者さんは珍しくありませんが、検査を両側分やる時間はない。そんなとき確認検査をどう回すか。とんとんが治療家向けに続けているオンラインカンファレンスで実際に出た相談をもとに、短い施術時間での検査の設計を考えます。
相談の背景はこうです。頸部や腰部で、片側ではなく両側に症状が出る患者さんが複数いる。1回の介入時間は7分から10分ほどで、検査をしていると施術時間がなくなるため、確認検査を省きがちになっている。両側症状の考え方と、短時間でできる評価の工夫を知りたい、というものでした。
時間の制約は、保険中心の現場でも自費の短時間メニューでも起こります。カンファレンスで示された答えは、検査を削る方向ではなく、検査を速くする方向でした。
まなぶ先生
教子先生
瀬谷崎両側に出ること自体は、珍しくない
まず前提として、両側に症状が出ることは特別な状態ではありません。側屈した側に痛みが出るタイプなら、右側屈で右、左側屈で左に出るのはよくある訴えです。両側だからと構えて評価の枠組みを変える必要はなく、片側ずつ、いつもの手順で見ていけます。
ただし、両腕のしびれのように左右対称の神経症状が続く場合は、絞扼部位や中枢側の要因も含めた鑑別が先です。このタイプは両腕のしびれ、原因は鎖骨まわりの圧迫かで症例を検討しています。
片側で速く回して、反対側に当てはめる
時間が限られているときの実際の手順として、こう示されました。
- 片側の候補筋を素早くテストするたとえば右側屈の痛みに対して、内転筋・大腿筋膜張筋・腰方形筋のような候補を1分以内で一巡する。
- 陽性部位を反対側に当てはめる片側で陽性の部位が特定できたら、左側も同じ部位から確かめる。左右で同じ要因が関与していることは多く、左はゼロから探すのではなく、答え合わせに近い検査になる。
両側をフルで探索するのに比べて、時間は半分近くまで詰められます。
- 左右で結果が割れたときだけ、反対側の探索を広げる
- 候補筋の挙げ方は、普段の確認検査と同じでよい
継続来院なら、前もって検査部位を仕込んでおく
初診で全部を確かめる必要もありません。継続して来院している患者さんなら、前回までの所見から今日確かめる部位をあらかじめ決めた状態で施術に入る。あるいは、介入しながら反応を見る探索的な進め方で、数回かけて絞り込んでいく方法も挙がりました。
1回で完結させようとせず、数回の来院を1つの評価期間として設計する。短時間メニューの現場では、この時間の使い方が現実的です。検査自体の手順は再現痛を指標にした確認のやり方にあります。
相談者の悩みは「検査をすると施術時間がなくなる」でした。検討の結論は逆で、介入時間が延びる主因は介入部位の絞り込み不足。検査に1〜2分使うことが、施術全体では時短になる、というものでした。
省けるのは検査ではなく、迷いの時間
両側症状で時間が足りないときの設計は3つ。片側で速く回して反対側に当てはめる。左右が割れたときだけ探索を広げる。継続患者は前もって検査部位を決めておく。検査を省いて手数を増やすより、絞り込んでから触るほうが、患者さんの体感も施術者の時間も良くなります。
瀬谷崎





