「張る」「重だるい」が続くとき、女性専門の鍼灸院ではどう確かめる?首肩・腰・脚・全身、こもれびの8症例から
症状コラム
張りと重だるさを、筋肉だけでなく「めぐり」と「疲れ」から見る
首肩が張る。腰が張る。脚が重だるい。休んでも全身のだるさが抜けない。整骨院では動きと支える力から確かめる症状を、鍼灸院ではどう見ているのでしょうか。とんとん整骨院グループの女性専門鍼灸院こもれび(板橋区徳丸・東武練馬駅)の症例レポートのうち、「張り」「重だるさ」が記録に残っている8件を読み返しました。見えてきたのは、筋肉の緊張に加えて、血のめぐり、疲れの積み重ね、眠りやストレスまで含めて確かめる進め方でした。
8件はすべて女性で、30代が3件、40代が1件、50代が4件。首肩の張りが3件、腰と膝が各1件、脚や全身の重だるさが3件です。担当はこもれびの院長で鍼灸師の横田未帆です。
整骨院の症例から見た張りについては、肩の張り17症例と腰の張り11症例の記事で書きました。この記事は、同じ「張る」「重だるい」という言葉を、鍼灸院の側から見たものです。
この記事の要点(タップで開く)
女性専門鍼灸院こもれびの記録8件では、首肩や腰の張り、脚や全身の重だるさに対して、動きと姿勢の確認に加えて、筋肉の緊張の場所、手足の冷えや血のめぐり、疲れの積み重ね、眠りやストレスの状態、舌や脈の様子まで確かめていました。進め方は、硬くなった部分やツボへの鍼とお灸を中心に、疲れが強いときは刺激を弱める判断を記録し、1回ごとの変化より数週間単位で張りや重だるさを感じる頻度と戻り方を見て、週1回から隔週、月1回へと間隔を広げていました。
倦怠感に体重の変化・発熱・動悸や息切れ・むくみ・月経の大きな変化が重なる場合は、先に内科や婦人科にご相談ください。
「張る」「重だるい」を、鍼灸院ではどう確かめているか
8件の評価の欄を読むと、整骨院の記録と重なる部分と、そうでない部分がありました。
重なるのは、動きと姿勢の確認です。スマートフォンの時間が長い50代女性の首肩の張りでは、頭が肩より前に出た姿勢と首の動きの制限が記録されています。立ちっぱなしで腰が張る50代女性では、骨盤が前に倒れて腰の反りが強い姿勢と、股関節の前側の縮こまりが評価の中心でした。ここまでは整骨院の見方とほぼ同じです。
重ならないのは、そこに加わる軸です。脚が重だるい50代女性の記録には、脚の筋肉の緊張とあわせて足先の冷えが書かれ、血のめぐりの滞りが疲れの抜けにくさにつながっている可能性が挙げられています。休んでも抜けないだるさの30代女性では、舌の色が淡く、ふちに歯のあとがあり、脈が弱いという東洋医学の確認が残っていました。全身の疲れが抜けない30代女性では、首肩の緊張に加えて「全身の疲れの積み重ね」が評価に入っています。
筋肉の緊張がどこにあるかに加えて、めぐり、疲れ、眠り、ストレス。張りや重だるさを、体全体の状態の一部として確かめているのが、8件に共通する進め方でした。
まなぶ先生
教子先生
瀬谷崎首肩の張りと、刺激の強さを決める判断
首肩の張りが記録されていた3件では、硬くなった筋肉やツボへの鍼が中心でした。
- 50代女性スマートフォンをよく使う方の頭痛を伴う首肩の張り
風池(ふうち)というツボを中心に鍼を行い、首の動きを広げる施術をあわせた記録。繁忙期に張りが戻る時期を挟みながら、日常の座り方を意識されるようになってから戻り方が緩やかに。2ヶ月で隔週、4ヶ月で月1回へ。
- 30代女性噛みしめをともなう首肩こり
首肩まわりと、噛みしめで緊張しやすい筋肉に鍼。気持ちの張りつめも背景にあったため全身の調子も意識して進め、2〜4回目で身体の張りつめが楽になってきた実感があったと記録。
- 40代女性夕方に重だるくなる首こりと頭の重さ
肩井(けんせい)・天柱(てんちゅう)を中心に鍼。良くなって戻るをくり返しながら戻り方が緩やかになり、半年で月1回へ。
もう1件、ここで触れておきたい記録があります。首肩のこりに全身の疲れが重なっていた30代の女性です。疲れがたまっているときに強い刺激を入れると、かえってだるさが出ることがあるため、この方には鍼の刺激を全体的に弱めに設定して進めた、と書かれています。施術後に疲労感が抜けた感覚が2週間ほど続いたこと、朝の目覚めが変わってきたことを手がかりに、3週に1回から月1回へ間隔を広げています。
「鍼は強い刺激のほうが効く」というイメージをお持ちの方もいますが、記録では、その方の疲れの深さに合わせて刺激を弱める判断が、進め方の要になっていました。
腰の張り、膝の張り、脚の重だるさ
- 50代女性立ちっぱなしで強くなる慢性的な腰痛に、鍼とお灸を使った例
腰の筋肉のこわばった部分への鍼とお灸に、股関節の前側をゆるめるアプローチを組み合わせ、仕事のストレスや眠りの浅さもふまえて体全体を整える方針。週1回で1ヶ月、隔週で2ヶ月、その後は月1回へ。
- 50代女性階段を降りると出る膝の内側の痛みに施術とトレーニングを続けている例
太ももの外側や裏側、ふくらはぎが硬く張っていた記録。ゆるめることと膝の内側へのお灸、お尻のトレーニングを組み合わせ、週1回では次までに少し戻るくり返しをそのまま記録しながら、現在は隔週で継続中。
- 50代女性慢性的な倦怠感と脚の重だるさ
脚の筋肉の緊張と足先の冷え。初回直後は大きな変化がなく、3日後に足の重さが軽くなったとの記録。6回目に外出したい気持ちが出てきて、2ヶ月を過ぎたころにご自身でヨガを始められた経過。
脚の重だるさの記録には、「初回の直後には大きな変化はなかった」と正直に書かれています。変化が出たのは3日後でした。鍼灸では、その場での変化だけでなく、数日後、数週間後にどう変わったかを一緒に確かめることが多い、というのが記録から読み取れる特徴です。
休んでも抜けないだるさを、東洋医学の見方で確かめた記録
8件のうち1件は、首肩や腰といった場所のない、全身のだるさの記録です。半年ほど仕事の忙しさが続き、慢性的なだるさと気力の出にくさ、食欲の低下、お腹のゆるさがあった30代の女性。医療機関で大きな異常は指摘されていませんでした。
東洋医学には、体力や胃腸の働きの状態から不調を捉える見方があります。この方の記録では、舌の色が淡く、ふちに歯のあと(歯痕・しこん)があり、脈が弱いことから、エネルギー不足のような状態と捉え、足三里(あしさんり)や気海(きかい)といったツボを中心に施術を行っています。1ヶ月半を過ぎたころに食欲が少し戻ってきた、という記録が残っています。
「疲れているだけ」「怠けているのでは」と、ご自身を責めてしまう方が多い症状です。食欲や便の状態は体の変化を映すサインとして記録に残されていました。
- 30代女性休んでも抜けない倦怠感を、東洋医学の視点からみていった例
補うことを目的とした施術で、2〜5回目に日中の倦怠感が軽くなってきた実感。隔週で3ヶ月続け、現在は月1回へ。
- 30代女性全身の疲れが抜けない首肩のこりに刺激を弱めた鍼灸
後頭下筋群を中心に、刺激を弱めた鍼とお灸。3週に1回で3か月のあと、月1回で継続中。
まなぶ先生
教子先生
瀬谷崎整骨院とこもれび、どちらに相談するか
整骨院に相談しやすい方
特定の動作で痛みや張りが出る。ケガやスポーツがきっかけ。支える筋肉のトレーニングまで進めたい。お住まいや職場に近い店舗がある。
こもれびに相談しやすい方
女性専門の環境で相談したい。張りや重だるさに、疲れ、眠りの浅さ、冷え、気分の重さが重なっている。強い刺激が苦手で、体の状態に合わせて加減してほしい。全身のだるさで、場所をはっきり指せない。
どちらも同じグループで、必要に応じてお互いにおつなぎしています。こもれびの場所や施術の流れはこもれび鍼灸院のご案内をご覧ください。
こんなときは、先に医療機関へ
先に確認したいサイン
倦怠感や重だるさに、体重の減少、発熱、動悸や息切れ、むくみ、月経の大きな変化が重なっている。張りに腕や脚のしびれ、力の入りにくさを伴う。これまで経験のない強い頭痛が急に始まった。こうした場合は、鍼灸院や整骨院より先に、内科や婦人科での確認をおすすめします。
ここで紹介した全身のだるさの記録も、医療機関で大きな異常がないことを確かめたうえで進めたものです。先に確かめたい病気については自律神経の乱れと先に確かめたい病気の記事に載せています。
瀬谷崎この記事は一般的な情報提供です。症例の経過は記録どおりに記載していますが、症状の出方や経過には個人差があり、鍼灸の施術が特定の症状に効果があることを保証するものではありません。だるさや痛みが続くときは、医療機関への受診をご検討ください。





